実は子犬の社会化には「人慣れ」という工程も重要です。生後間もない時期であれば、日々のお世話の大半は家族だけで完了できます。
その後は、動物病院、ペットホテル、トリミングショップと家族以外の人間に接し、世話をされることも増えていきます。子犬をあらかじめ家族以外の人間に慣らすことも大切な経験です。
人慣れ出来ていない・・・どんなトラブルが起こる
人慣れとは、ただ人間を目にしたことがある、すれ違ったことがある程度ではありません。正しい意味での人慣れとは、家族以外の人間に、
・体に触れられること
・抱っこをされ、行動を制限されること
・リードを持ち誘導されること
を意味しています。家族以外の誰であっても、危害を加えたり、威嚇したり、必要以上に緊張しないよう練習を重ねてあげます。
もしこの人慣れが出来ていないと、
・動物病院で診察を受けるとき
・トリミングショップでトリミングをするとき
・ペットホテルで家族以外が散歩に行くとき
相手は扱いにくい犬、危険のある犬と判断されます。
もし災害に直面した場合も同じです。災害という非日常の場面では、家族以外が世話をすることもあるでしょう。どんな場面でも相手に危険な想いをさせないこと、家族が安心して愛犬を託せることが大切です。
生後6か月までの人慣れ練習
日頃の生活の中で、まだ生後間もない愛犬を家族以外に託す機会はなかなかないでしょう。だからこそ、あえてそのような場面を作り出すことが必要になります。
例えば、
・動物病院を受診する
・トリミングショップを利用する
・ペットホテルの一時預かりを利用する
などです。爪切りや耳掃除などの手軽な費用で利用できるサービスの利用でも十分です。
洋服を販売しているペットショップに愛犬を連れてゆき、試着の際にスタッフと触れ合ってもらうことも効果的な人慣れ練習になります。
家族以外の人間に体を託したり、指示に従っても危険でないことを愛犬の学ばせてあげましょう。もちろんこのような経験は、回数を重ねるほどに効果が表れます。
短時間ずつの経験で構わないので、様々な場面を作りだしていきましょう。
幅広い年齢の方と触れ合うことも大切
生後間もない子犬にとって、家族は世界のすべてともいえる存在です。そのため家族以外の人間は未知の存在となり、敬遠するのも当然です。
例えば、家族の中に小さな子供や高齢者がいない環境で暮らしている場合、公園や散歩中、レジャー先でそのような相手に対面した際に、吠えてしまう事や威嚇をすることも仕方がありません。
場合によってはこのような行動が原因で周囲とトラブルになることもあるので、生後間もないこの時期に、あえて幅広い年齢層の方との触れ合いを持ちましょう。
ただし、小さな子供は子犬の扱いに慣れておらず、乱雑に扱ってしまうことや落下事故を起こす危険性もあります。また、子犬自身が小さな子供に甘噛みをしてしまうこともあります。
家族以外との触れ合いの場面では、決して目を離さないように注意しましょう。